イジワルな君の一途で不器用な恋心


髪は巻いてきたから、あとは華やかさを足せばいいかな。

参考用に置かれていた雑誌を見て、メイク用ブラシとチップを使って顔に塗っていく。


しばらくして市瀬ちゃんも合流し、お互いに似合いそうな色を提案しながらヘアメイクを完成させた。


市瀬ちゃんと2人で階段を下り、会場である旧体育館に向かう。



「おー、踊ってるねぇ」

「みんな早いですね。先輩達、もう来てますかね?」

「多分来てると思う。女子ほど準備に時間かからないし。ちょっと連絡してみるね」



踊ってる人達の邪魔にならないよう、隅っこに移動して、まずは一ノ瀬くんに電話をかけた。



【はい、もしもし。朝日さん?】

「もしもし。もう来てる?」

【うん。真ん中あたりにいるよ】

「真ん中ね。雷夜は?」

【まだ。『髪の毛がキマらねーから遅れるって言っといて』って言われた】

「了解」



電話を切り、ふふふっと小さく笑い声を漏らす。


そういえば、迎えに来た時、少し前髪垂れてたっけ。

何度もヘルメット脱いで被ってって繰り返してたらそりゃ崩れちゃうか。