小声で述べると、先ほどよりも鋭く目を光らせた。
嘘でしょ……⁉ 春休みにもあったの……⁉
オープンキャンパスに行く時に何回か乗ったから、同じ電車だったってことも……。
「そう、だったんだ。それなら絶対捕まえなきゃね」
ゾワッと鳥肌が立った。
新年度が始まってまだ1週間余り。新しい環境に慣れてない人だってたくさんいるはず。
そんな人達の不安をこれ以上煽らないよう、このまま野放しにしておくわけにはいかない。
「目星はついてるの?」
「一応。連結部分とドア付近は警戒してる。確か昨日もドアの近くだったんだよな?」
「うん。要注意スポットなの?」
「あぁ。人が密集するから見えづらいし、加えてドア付近は逃げやすい。もし今後乗る時は気をつけろよ」
周りに聞こえないよう耳打ちで教えてくれた。
吐息が耳にかかってドキッとしつつも、何度も頷いて心に留めた。
それから数分が経ち、3つ目の駅に停車した。
肩がけしたスクールバッグを胸の前に移動させてスペースを作る。



