雷夜のお父さんは現役の警察官。
その影響からか、雷夜も昔から正義感が強く、ズルや嘘に対してよく腹を立てていた。
だからといって、捕まえるって……いくらなんでも危険すぎる。
空手黒帯持ちみたいだから弱くはなさそうだけど、相手は犯罪者。凶器を持っているかもしれない。
「もしケガしたらどうするの! バイクに乗れなくなるよ⁉」
「……それでも見過ごせねーよ。琳子の隣のおっさん見てみろ」
横目で右隣にいるおじさんを見た。
手持ちかばんを手首に通して、両手で必死に吊り革を掴んでいる。
「一部の輩のせいで、何の関係もない人まで涙ぐましい努力を強いられてる。だからこそ許せない。俺らのような紳士な人間からしたら特にだ」
「そうね……」
雷夜が紳士かは置いといて。
何も悪いことしていないのに罪に問われるなんて、たまったもんじゃない。
「気持ちはわかった。でもさ、必ずしもここに現れるとは限らなくない?」
「そんなのわかってるって。だからパトロールだよ」



