イジワルな君の一途で不器用な恋心


外だけでなく、店内でも起こってたのか……。

お客さんが来てくれるのは嬉しいけど、少し複雑だよね。



「受け取るには受け取るんだけど、毎回スマートに対応しているから、そこまで大事にはなってないの。だけど、1人困った子がいて……」

「付きまとい、ですか……?」

「なのかなぁ。実はさっきも来てて。黒金の子なんだけど……」



2度目の不意打ち攻撃に、吹き出した息でコーヒーが波打つ。

えええ⁉ うちの高校の人⁉ でもってさっき⁉



「そ、その子って、どんな子、なんですか?」

「小柄で、髪の毛を2つに結んでて、可愛らしいお顔してたかな。まん丸の目がすごく印象的だった」



思い当たる特徴。ざわざわと胸が騒ぎ始める。


……いや、まだ決めつけるのは、良くない。

全校生徒1000人以上のマンモス校だよ? そんな子、全クラス回れば何人もいるって。



「ちょっとおしゃべりが多くてね。気を遣ってお客さんが少ない時に話しかけてるんだけど、何十分も居座ってて」

「なかなか帰ってくれない感じですか?」

「うん。多分新規さんかな。先月あたりから顔見るようになって。週に3回、多い時は5回来てた。目黒くんがいない時はすぐ帰ってたんだけど」