イジワルな君の一途で不器用な恋心


彼女……じゃあ、ないよね? いたら私含め、ミワワちゃんや市瀬ちゃんみたいに女の子と2人で遊ばないし。

常連のお客さんとかかな?


お姉さんが去っていったタイミングでドアを開け、掃除を再開した彼に声をかける。



「随分楽しそうだったけど、何話してたの?」

「おお、ビックリした。いたのか」

「ええ、邪魔しちゃ悪いと思ってずっと待ってました。で、今の誰?」

「元従業員の人。昔バイトしてたらしくて、懐かしくなって声かけたんだって。店長の話とかメニューの話とか、裏話を教えてもらってた」



濁さず即答し、ほうきで掃きながら詳細を話した雷夜。

なんだ、カフェ関連の人だったのか。てっきりナンパされてたのかと思ったよ。



「めちゃくちゃ盛り上がってさ、せっかくだから連絡先交換しようよって言われたんだよね」



安心したのもつかの間。

親しみやすいお姉さんかと思いきや、元従業員の肩書きを利用したナンパ女子だった。


ひぃぃぃ、超肉食じゃん……! 人は見かけによらないのね……。



「っで、で、交換したの?」

「いや。未成年だからごめんなさいって」