「なんだよ、ニヤニヤ笑って」
「んー? ちゃんと仕事してるなーって」
「はぁ? 茶化しに来たのかよ」
「違うわよ。コーヒー買いに来たの」
「コーヒー? 今日は奢らねーぞ」
「奢ってもらおうなんて一言も言ってないんですけど?」
あーあ、黙ってれば絵になってたのに。
近くに一見さんらしき人いたのに逃げちゃったじゃない。もったいないなぁ。
ま、営業スマイルは得意だからまたすぐ集まってくるか。内心複雑だけどね。
店内に入り、本日おすすめのアイスミルクティーを注文。
商品を受け取って外に出ようとすると、ドアの窓から雷夜が誰かと話しているのが見えた。
ふんわり巻かれた焦げ茶色の髪に、淡いパープルのブラウス、ベージュのフレアスカート。
パット見、20代前半、若くて大学生くらい?
女子アナのような清楚な雰囲気をまとっている。
こっちに背を向けているから表情はわからないけど……ニッコニコなお姉さんを見る限り、恐らく営業スマイルで対応しているのだろう。



