イジワルな君の一途で不器用な恋心


8月下旬。2回目の登校日。



「さ! 市瀬ちゃん、どうぞ!」

「ほ、本当にいいんですか?」

「うん! 今まで迷惑かけたお詫びに受け取って!」



午前11時半。購買にて。

市瀬ちゃんに鶏の唐揚げをプレゼントした。



「ありがとうございます。わぁ、美味しそう」

「ふふふ。私のイチ推しなの!」



含み笑いを浮かべて自分も唐揚げを口に運ぶ。


市瀬ちゃんとは終業式の日に会って謝罪し、雷夜への想いも打ち明けて、無事仲直りした。


で、なぜ今日、唐揚げを奢ることになったのかというと。


前回の登校日に一ノ瀬くんから、市瀬ちゃんが来月誕生日を迎えると聞いて。

部室で迫ったり、雷夜との喧嘩に巻き込んじゃったりと、たくさん迷惑かけちゃったから、お詫びも兼ねて何かプレゼントしたいなと、カフェ帰りの電車の中で調べてたんだけど……。


市瀬ちゃんの性格上、お返ししなきゃ……! って義務感を与えてしまうかなと思って。

考えた結果、手軽に食べられる唐揚げをごちそうすることにしたってわけ。