イジワルな君の一途で不器用な恋心


プイッとそっぽを向くと、はぁ……と溜め息が聞こえて。



「ん」

「……なに」

「俺からの優勝祝い。ちょっとシワ寄ってるけど、未開封だからな」



横目で見ると、犬柄の包装フィルムに包まれたポケットティッシュが差し出されていた。


いや、未開封って。衛生面が心配だとかそういうことを言いたいんじゃなくて。



「なんで、急に」

「今にも泣きそうな顔してるから。その顔のまま帰ったらみんな心配するだろ?」



ピタリと足を止め、顔を上げる。


真っ直ぐ、揺らぐことのない目つき。

まるで私の胸の内を射抜くように見つめていて。



「大丈夫。周り、誰もいねーから」



優しい微笑みが現れた瞬間、抑え込んでいた感情が込み上げてきた。



「……悔しかった。あともう少し体力があったら勝てたかもしれないのにって」

「うん」

「でも、すごく楽しかった」