イジワルな君の一途で不器用な恋心






翌日、授業の時間を使って一通り打ち方を教わった。


金曜日も、休み時間に作戦を練り、放課後は近所の公園に行って新菜と2人で練習。

土日は進路関係の予定があったため、自主練に励んだ。


そして、迎えた大会当日。



「おはよう。朝から気合い入ってるね〜」

「一ノ瀬くん! おはよう!」



教室の後方で新菜と素振り中、一ノ瀬くんが登校してきた。



「おはよう。今日は一段と天使の輪が輝いてますね〜」

「ふふっ、ありがとう。今日泳ぐから、髪キシキシならないようにトリートメントしてきたんだ」

「ほほぉ。どうりでツヤッツヤなわけだ。でも、なんかちょっと顔色悪くない?」



新菜の指摘に笑顔を引きつらせた一ノ瀬くん。

よく見てみると、目の下にうっすらクマができている。



「あー……目立つかな」

「大丈夫だよ〜。近くで見ないと気づかない程度だから」

「うんうん。にしても一ノ瀬くんがクマ作るって珍しいね。眠れなかったの?」

「まぁ……うん」