イジワルな君の一途で不器用な恋心


上げた手がピタリと止まり、代わりに目を大きく開けた。


男のバイクって……もしかして、一ノ瀬くんの?
ええっ⁉ 嘘でしょ⁉ 待って、なんで⁉

あの時広場には誰も……私と同年代の人は一ノ瀬くん以外誰もいなかった。


まさか、陰から覗いてた……⁉


呆然とする私を置いて、彼女を連れて部室を後にした雷夜。

途端にいたたまれない気持ちになり、準備室に逃げ込んだのだった。







「さっきは、悪かったな」

「いや、私こそ。怒鳴ってごめん」



強い日差しが照りつける中、雷夜と2人で駅へ向かう。


逃げた後、ほとぼりが冷めるまでしばらく待っていたのだけど、戻ったら場の空気がさらに重くなるかもと思って。

一ノ瀬くんに荷物を持ってきてもらい、準備室のドアから帰ったのだ。



「なんで知ってたの? 覗き見してたとか?」

「ちげーよ。見てたのはジョー。バスの窓から、お前が零士のバイクに乗るのを見たって」