「ちょっと雷夜っ、勝手に連れてかないでよ。今私が話してたのに」
「はぁ? 知らねぇよ、俺だって今来たばかりなんだから」
慌てて口を挟むも、冷たく返された。
「つーか、俺は今日、たけおの動画を見せるって約束してるんだよ」
「はぁ⁉ 聞いてないんだけど⁉」
「当たり前だろ。誰にも話してねーんだから。いちいちお前に伝える必要ある?」
カーッと頭に血が上る。
確かに伝える義務はないけどさ……普通、連れて行く前に一言言わない⁉ あと、なんでそんなにトゲトゲしいの⁉ 今朝はあんなに私のこと羨ましがってたくせに!
しかも後輩が隣にいるっていうのに、コロコロと態度変えて。あんた、副部長の自覚あんの……⁉
視界の端に恐ろしい顔を浮かべた部長が見えるが、もう我慢できない。
「なにその言い方! ってか、その手どけなさいよ! 馴れ馴れしい!」
肩に乗る手を叩き払おうと、怒鳴りながら詰め寄る。
「うるせーな。お互い様だろ? そっちだって、嬉しそうな顔して男のバイクに乗ってたくせに」



