イジワルな君の一途で不器用な恋心


それなら……。



「まだ人少ないし、他の子達が来るまで2人で話そ! 昨日撮ったばかりの動画があるの!」



一ノ瀬くんから遠ざけようと腕を掴んだ。


実際に現場を見たわけじゃない。感じ方は人それぞれ。失礼だと厳しく受け取る人もいれば、気にしすぎじゃない? と軽く捉える人もいる。


でも、私と話す時はいつも敬語。

約束も守ってくれるし、今もちゃんと目を見てくれている。にわかには信じがたい。


もしかしたら、深掘りされたら困る秘密を抱えているのではないだろうか。

で、その秘密が、一ノ瀬くんに関係していた。部活や同好会に関する愚痴・不満を聞かされていたとか。

本人だと抵抗ありそうだけど、私になら話してくれるかもしれない。


ちょうど昨日ハナの動画を撮ってたから、まずは一緒に観賞して。気分がほぐれてきたところで、ショッピングモールで見かけたことを話して……。

会話の内容と尾行してたかをさりげなく聞いた後に、目を逸らした真相を──。



「失礼しまーす」