イジワルな君の一途で不器用な恋心


水槽に小さく映る男女2人組。

サングラスなしというのもあり、認識するのにさほど時間はかからなかった。



「嘘っ、見つかっちゃった?」

「かも。声かけたくて様子うかがってるか……着けられてる可能性もあるよな」



ドクンと嫌な音が胸に響いた。


そうよ、まだ可能性の段階。

それにあの2人は部活仲間。ここに寄るのはなんらおかしくない。


仮に尾行中でも、話しかけるタイミングを待っているって場合も……。



「ひとまず二手に分かれようか」



相談するにもしづらいだろうということで、一旦別行動に。


胸に渦巻くモヤモヤ。正体はわかっている。


1つは、会話の内容が聞こえていたのではないかという不安。

もう1つは、私が知らない間にそんなに仲良くなったの? という嫉妬。


だけど……どっちに対して妬いているんだろう。








会計を済ませてしばらく店内を見て回り、バラバラにお店を出た私達。

その後も、集まっては分かれてを何回か繰り返して2人を撒き、最終的には人気(ひとけ)のない場所で落ち合った。




「朝日さん、こっちこっち」