イジワルな君の一途で不器用な恋心


数秒間の沈黙の後、小さく頷いた。


詳しく話を聞くと、名前や所属グループ、通学手段など、共通点が多いことから自然に距離が縮まり、気づいたら異性として意識し始めたのだと。


なんてピュアな恋なんだ。そしてなんてタイミングの悪さなんだ……。


背中を擦っていると順番が回ってきた。

残念ながら今日の分が完売してしまったので、第2希望を購入。広場から離れた場所に移動し、ベンチに腰かけた。



「朝日さんの相談で来たのに、ごめんね」

「いいっていいって! ほら、アイス溶けちゃうよ?」



トントンと背中を叩き、コーヒーを飲むよう促す。


今思い出したけど、一ノ瀬くんも転勤族だったっけ。

相手が友達でも気にしちゃうのなら、恋愛経験が少ないのかも。だとしたら無神経すぎたな。



「そうだ、スポーツ大会、今年も水泳なんだね」



空気を一新しようと話題を変えた。



「リレーって聞いたけど、何泳ぐの?」

「自由形。ラストのクロールを任されちゃった」