イジワルな君の一途で不器用な恋心


一ノ瀬くんと顔を合わせて頷く。


目元は隠れているが、髪型と体型、服装と声で雷夜だと確信した。

もう1人は……。



「市瀬ちゃんから何も聞いてない? 目黒先輩と遊びに行くことになったんですけど、何か気をつけることありますか? みたいな」

「ないよ。今初めて知った」



ハの字眉で雷夜の顔色をうかがう女の子。

身長差と控えめな態度からして、市瀬ちゃんで間違いない。


一ノ瀬くんと出かけることは私達だけの秘密。誰にも言ってないから偶然。よね?

私に断られたから、代わりに市瀬ちゃんを誘ったとか?



「……まさか、デートじゃないよね」

「えええっ⁉」



ボソッと呟いた声に大きく反応した一ノ瀬くん。

夏だというのに顔が真っ青だ。


さっきまではあんなに楽しそうだったのに……冷房で体調崩した?

……いや、トッピングてんこ盛りにする人が具合悪いわけないよね。



「もしかして……市瀬ちゃんのこと、好き、なの?」

「…………うん」