イジワルな君の一途で不器用な恋心


外を眺める私の背後で呑気に話す雷夜。


駅前で合流する登校時に比べ、下校時は同じ車両に乗っている。


乗る車両は、大体先頭か最後尾。ちなみに今日は先頭車両。

混雑状況によるけれど、私とミワワちゃんは窓際、雷夜は私達の背後か向かい側に立つことが多い。


今日は2人だけだから隣に来てもいいのに、癖が抜けないのか、真後ろにいる。



「今朝は、悪かったな」



発車してすぐ、頭上から低い声が聞こえた。



「俺の何倍も時間かけてセットしたのに、雑に触ったせいでとぐろ巻くはめになって……本当、ごめん」



猛省しているのが感じられる声色。しかし、間に挟んだ言葉で台無し。

最近コブラ呼ばわりしなくなったなぁと思ったら。間接的にいじるんかい。



「いや、こっちこそ、冷たく当たってごめん。手、痛くない?」

「平気。ちょっと赤くなったけどな」



肘で突こうとしたけれど、雨だったので我慢した。

転んでバイクに乗れなくなったら、それこそ余計顔合わせづらくなりそうだし。