イジワルな君の一途で不器用な恋心


「返事できなくてごめんね」

「いいよいいよ、朝イチだったし。でさ、もし空いてるなら図書室で勉強会やろうと思ってるんだけど、来る?」



ゲームアプリのアイコンに伸ばしていた指を止めて顔を上げる。



「それ、他に誰かいる?」

「一応、雷夜に声かけてるけど、まだ返事来てないから今のところ俺だけかな」



ううっ、雷夜もか。タイミング悪いなぁ。


誘われる時点で多分バイトは休み。

ミワワちゃんも今日は委員会があると言っていたので、特に予定がないなら参加する可能性が高い。


一ノ瀬くんがいるから気まずさは薄れそうだけど、今朝冷たい態度を取っちゃったからなぁ……。



「ごめん、電車止まるといけないから」

「わかった。また今度誘うね」



余計な気を遣わせたくなかったため、天候を理由に断った。



午後の授業を終えて放課後の時間に。一ノ瀬くんと新菜に挨拶して教室を出た。

階段を下りて昇降口へ向かうと、屋根から水が滝のように流れ落ちている。