季節外れのエチュードを

「松浦くんはどうしてそこまでしてくれるの……?」



私はこんなに素敵なことをしてもらえるほど、彼になにかできていたんだろうか。



「あらあら、考えこんじゃってるねえ」

「おいおい、中西って割と鈍感なのか?」



先輩たちが口々に言い始めたとき、いつの間にか近くまで来ていた松浦くんに腕を掴まれた。


驚いて前を向くと松浦くんと目が合う。



「お前のことが好きだからだよ!」

「わあ、言ったねえ」

「おお、言ったな」



すごい勢いだった。

松浦くんの言葉で一瞬静まったけれど、すぐに周りが騒ぎ出す。


松浦くんの顔は真っ赤だった。

きっと私にもうつってる。

だって顔と、触れられてる腕が熱いから。


そのうち目元もじわりと熱くなって涙がこぼれた。