「大学の卒業式に 私は お父さんに別れを告げたの。

『4年間 本当にありがとう。政之君のおかげで 大学生活が 楽しかったわ。』って。私 ちゃんと笑顔で言ったのよ。

『エッ?何?もう会えないみたいなこと 言わないでよ。』って お父さんは 驚いた顔をしたわ。

『もう 会えないでしょう。私達は これから 別々の人生を 歩いていくの。』

『何言ってるの?俺は 悦ちゃんと 別れるつもりはないよ。』

『私だって 政之君と 別れることは 辛いけど。でも どうせいつか 別れなくちゃいけないなら 今が いい区切りでしょう?』

『どうして 別れなくちゃいけないの?俺 悦ちゃんに何かした?』

『政之君は いつも優しくて。私 本当に 感謝してるけど。でも 私達が 付き合っていること 政之君の家族が知ったら 怒るよ。』

『俺は これからもずっと 悦ちゃんと一緒にいるつもりだよ。悦ちゃんと 別れるなんて 考えたことないし。悦ちゃん以外の人と 一緒になるつもりは ないから。』

『今は そう思っていても 政之君だって そのうちわかるよ、無理だって。』

『俺は 悦ちゃんと一緒になれないなら 家族も会社も 捨てるから。』

私 お父さんの その言葉に 人生を賭けちゃったの。本当に 嬉しかったから。本当は私 お父さんのこと すごく好きだったし。私だって お父さん以外の人と 結婚するなんて 想像できなかった。
お父さんが そこまで 言ってくれるなら 私だって どんな努力でも できるって。まぁ それが 苦労の始まり だったのよねぇ。フフッ。」