首取り様2

☆☆☆

5人で化け物と遭遇した道まで戻ってきたとき、そこに大輔と化け物の姿はなかった。


「嘘、どこに行ったの!?」


春香が悲鳴を上げる。


「落ち着いて春香。きっと、大輔が化け物をひきつけてくれたんだよ」


佳奈は春香の腕を握りしめて言った。


慰めじゃなく、そうとした考えられなかった。


きっとあの後化け物は再び起き上がったのだろう。


それを見た大輔は化け物が私達の方へ来ないように、おびき寄せてくれたんだ。


「あしあとが完全に消えてる。ここは一本道だし、壁を乗り越えて探すしかなさそうだな」


地面を確認していた明宏が苦々しく言った。


壁を乗り越えることは難しそうだから、どこからか回り込んで探すしかなさそうだ。