やわく、制服で隠して。

J Kブランド。
深春が言った通りだ。彼は最初からそういう性癖で、運良く目の前に現れた中学生。それが私だった。

「あぁ、でもまふゆのことは好きだよ。なーんにも分かってない、大人の恋愛に憧れてるJK。お前だって自分とは釣り合わない偏差値高い男と付き合えて良い思いしただろ?利害関係が一致してんのに手放すわけないじゃん。」

壁に押し当てられるようにして、私に跨って逃さないようにしている彼は、一度私から手を話して息を漏らした。

「あー、なーんか萎えたな。」

「…。」

「お前がつまんねぇこと言い出すからだよ。あぁ、そうだ。」

私を見る、口角だけを上げたいやらしいあの目。
セーラー服のリボンをスルッと解かれる。

「ゆっくり脱がせてから着せ替え人形もいいけどさ。」

「やめて…。」

「乱暴にすんのもたまにはいいかもな。」

嫌だ。助けて。やだやだやだ。

彼の手が、解いたまま、まだ首元にぶら下がっているリボンに手を掛けた。
両端を持つ。ゆっくりゆっくりと焦らすように、クロスにしていく。

「みはるーーーッッ!!!」

叫べる限りの声を張り上げた。
物が少なくてあまり生活感を感じない部屋に声が響く。

グッと締め上げられるリボン。
喉がキュッと上がる感覚。
グァッと鳴る、自分から出たことの無いような声。
パニックなのに、思考はいやに冷静だ。

奥歯を噛み締めて、首とリボンの隙間に爪を立てた。呼吸をする余裕は無い。

薄目で見た彼は、涎を垂らして笑っている。

意識の遠くでドンドンドンッと鈍い音が聞こえている。

「…て!だ……か!おん…かん…てま…だ…!!!」

ドンドンドンと再び鈍い音が鳴って、バタバタと室内に駆け込んでくる足音。

あぁ、そうだ、私…、あの時ドアの鍵閉めてな………。

「まふゆ!!!」