夜の十二時前。よくある住宅街の、幅の狭い道路に未成年が三人。警察でもいたら大事になるだろう。

なぜなら私は、背後にボロボロの子供を連れている。水浸しの白いTシャツを着た、か弱い双子だ。

明日の朝食を買いにコンビニに行った帰り、私は天使に言われて、遠回りして帰らされることになった。

天使の言い分はこうだ。
『君は運動不足だから、少しでも動いた方がいいよ!ちょっと遠回りして帰ろう?』

少し心に刺さったものの、事実だと承知していたので、仕方なく夜道を歩いていた。その途中で見つけたのが彼らだ。

ちらっと後ろに目をやると、片割れが片割れの手を引き、片割れは必死にそれに着いて行っている。この片割れは具合が悪いのだろうか。

「あのさ、君体調悪いの?」

ふるふると首を振る。『絶対嘘だな』と悪魔。『おぶってあげなよ』と天使。

「あともうすぐだから、頑張って」

歩いて疲れていたので、天使の発案は却下した。それに、服をこれ以上濡らしたくない。

片割れは首をカクンと落として返事した。