杏樹さんが集めて作った仲間の繋がり。

今、強く目の当たりにして、その輪の中に杏樹さんもいるような気がした。


出会い、繋がって、生きてゆく。

彼らが繋がっているかぎり、杏樹さんはここで生き続ける。



「光莉は、これからもっと大変になるかもな」


微笑みをこぼして輪を見守っていた私に、澪さんが横から声をかけてきた。


「どういうことですか?」

「由良の女になったんだろ?てことは、総長の女……」

「澪」


余所から、澪さんの言葉を遮る声が飛んでくる。

振り向くと、少し険しい顔つきで由良くんがこっちを見ていた。


「そのことは後で俺から話す」


隠しきれない威圧感に、澪さんは口を噤んだ。