杏樹さんは由良くんの大切な人。 一度でいいからお会いしたかった。 由良くんだけじゃなくて柊哉くんや澪さんからも話を聞いて、みんなに愛されていたのだと知った。 目を見て言葉を交わすことはもうできないけれど……。 でも、杏樹さんの思い出や残した想いはみんなの中に残っているから。 それらと一緒に私も生きていきたいと思う。 最後に感謝を伝えて、目を開ける。 同じタイミングで顔を上げた由良くんは、心なしかすっきりしたような表情をしていた。