非行少女の始まり。 そんなエッセイを書き綴られてもおかしくない。 でももし、そんなことを言う人がいたら、私は間違いなく否定する。 あのとき由良くんに助けられてなかったら、本当に非行少女になっていた。 非行少女の始まり? ……違う。 由良くんと出会ったから私は自分を見失わないで済んだ。 由良くん。 表情も言葉も冷たかったけれど、やけどしない程度の温かさを持っていた。 私にはそれで充分。 また会いたいな……。