晶くんも「魁吏、そういうことを言うのは・・・・・・」とか言って魁吏くんを嗜めてるけど、私の演技の腕前については否定できてない。
ダブルでとどめを刺されて、私のHPはもうゼロだ。
「い、言うほど魁吏くんだって上手なわけじゃないじゃん!」
「絢よりはマシだろ」
「なにを〜〜〜っ!?」
デリカシーがないにも程がある!
そうだ、付き合ってから最近は甘めモードだったから忘れてたけど、魁吏くんはこういうことを言ってきたりするんだった!
・・・・・・それだけで今更嫌いになるとか、そういうのではないけど!
恨みを込めて魁吏くんを見ると、フンッと鼻で笑われた。
こ、これはまだ私が白雪姫を引き受けたことを根に持ってるな!?
・・・・・・いいよ、そっちがその気ならこっちにだって考えがある。
「これから椿ちゃんと毎日練習だってするし、晶くんにも練習に付き合ってもらって上手くなるもんね!あーあ、狩人と白雪姫が一緒に出る場面ってちょっとだけだから、魁吏くんと練習してもあんまり意味ないね!」
「ちょっと絢ちゃん?」
「あ、そうだ!演技が上手になるためには、晶くんのことを好きになったほうがリアルに見えるよね。そういうことで、しばらく魁吏くんとは話さないから!」
「は?おい絢」
「ごちそうさまでした!」
急いでご飯を食べきって、魁吏くんの反論は一切聞かずに部屋に戻る。
ちょっと理論がぐちゃぐちゃだった気もするけど、そんなことはどうでもいい。
晶くんを巻き込んじゃったことに関しては、ものすごく申し訳ないけど今は魁吏くんに対しての罪悪感は全くない。
今回は魁吏くんが謝るまで、絶対に口をきかないんだから!
・・・・・・絶対に!
今日の放課後練習が終わった教室では、ちらほらと残って大道具を作ってる人がいるだけで、私たちはそんな教室の片隅で向かい合って座っていた。
「可愛い可愛いお嬢さん、この真っ赤なりんごはいかがかしら?」
「アラホントウニオイシソウ」
「はい絢花ちゃん、ストップです」
私のセリフを、椿ちゃんが真面目な顔で遮る。
私、またカタカナになってた?
「まず、絢花ちゃんのセリフは句読点がないんです。今のセリフだと、『あら』の後ろに一拍おいて『本当に』から次のセリフを言い切るんです。はい、やってみてください」
「あ、あら、本当に美味しそう」
「そうそう、そんな感じです!あとは、台本を顔の前まで持ち上げてください。そっちのほうが声がよく出るはずです」
ダブルでとどめを刺されて、私のHPはもうゼロだ。
「い、言うほど魁吏くんだって上手なわけじゃないじゃん!」
「絢よりはマシだろ」
「なにを〜〜〜っ!?」
デリカシーがないにも程がある!
そうだ、付き合ってから最近は甘めモードだったから忘れてたけど、魁吏くんはこういうことを言ってきたりするんだった!
・・・・・・それだけで今更嫌いになるとか、そういうのではないけど!
恨みを込めて魁吏くんを見ると、フンッと鼻で笑われた。
こ、これはまだ私が白雪姫を引き受けたことを根に持ってるな!?
・・・・・・いいよ、そっちがその気ならこっちにだって考えがある。
「これから椿ちゃんと毎日練習だってするし、晶くんにも練習に付き合ってもらって上手くなるもんね!あーあ、狩人と白雪姫が一緒に出る場面ってちょっとだけだから、魁吏くんと練習してもあんまり意味ないね!」
「ちょっと絢ちゃん?」
「あ、そうだ!演技が上手になるためには、晶くんのことを好きになったほうがリアルに見えるよね。そういうことで、しばらく魁吏くんとは話さないから!」
「は?おい絢」
「ごちそうさまでした!」
急いでご飯を食べきって、魁吏くんの反論は一切聞かずに部屋に戻る。
ちょっと理論がぐちゃぐちゃだった気もするけど、そんなことはどうでもいい。
晶くんを巻き込んじゃったことに関しては、ものすごく申し訳ないけど今は魁吏くんに対しての罪悪感は全くない。
今回は魁吏くんが謝るまで、絶対に口をきかないんだから!
・・・・・・絶対に!
今日の放課後練習が終わった教室では、ちらほらと残って大道具を作ってる人がいるだけで、私たちはそんな教室の片隅で向かい合って座っていた。
「可愛い可愛いお嬢さん、この真っ赤なりんごはいかがかしら?」
「アラホントウニオイシソウ」
「はい絢花ちゃん、ストップです」
私のセリフを、椿ちゃんが真面目な顔で遮る。
私、またカタカナになってた?
「まず、絢花ちゃんのセリフは句読点がないんです。今のセリフだと、『あら』の後ろに一拍おいて『本当に』から次のセリフを言い切るんです。はい、やってみてください」
「あ、あら、本当に美味しそう」
「そうそう、そんな感じです!あとは、台本を顔の前まで持ち上げてください。そっちのほうが声がよく出るはずです」

