地味子、学校のイケメン二人と秘密の同居始めます!

 あああぁぁぁぁ・・・・・・。
 思い返しただけでも、なんて無謀なことを言ったんだという後悔の念が押し寄せてくる。
 だって、晶くん困ってたし・・・・・・。
 一番最初、私が嫌がらせで学級委員に推薦されたときに助けてくれたのが晶くんだった。
 これがその恩返しとして釣り合うとは思ってないけど、でもちょっとでも晶くんの手助けになったらと思って。
 私が宣言したことであのまま、白雪姫と王子様は私と晶くんに決定した。
 「別に良いじゃない。私、絢花のドレス姿見るの楽しみだし。それに椿の魔女姿も」
 里穂がそう言って励ましてくれる。
 そう、なんと白雪姫のもう1人の重要人物、魔女に椿ちゃんが決定したのだ。
 しかも、椿ちゃんは自ら立候補。
 「ありがとうございます。中学校のときに、演劇部に入っていたので高校の文化祭でも劇に出てみたいな、と思っていて」
 「そうだったの!?」
 演劇部に入ってた中学生の椿ちゃんか・・・・・・。
 もしそのときの映像が残っているのなら、ものすごく見てみたい。
 でも、魔女って白雪姫の美しさを妬む女王様だよね?
 それなら私と椿ちゃん、配役が逆のほうがいいんじゃないかな?
 私は美しさを妬むどころか椿ちゃんの清らかさにひれ伏してしまうけど。
 「まだ悪役をしたことはないんですけど、頑張ります!」
 椿ちゃんはずいぶんと気合が入ってるようだ。
 とても可愛い。
 そうだ、悪役といえば・・・・・・。
 「あのときの魁吏くん、悪役みたいな怖い顔してたなぁ・・・・・・」
 私が一応、魁吏くんじゃなくて晶くんを選んだような形になっていたせいか、過去一不機嫌そうな顔をして黒いオーラをまとっていた。
 シェアハウスに戻ったら、怒られるかも・・・・・・。
 考えただけで寒気がしてくる。
 そんな魁吏くんは無理矢理クラスメイトたちに、女王の命令に寒いて白雪姫を逃がす狩人役に決められていた。
 なんでも、『顔がいい人が集客のために劇に出るのは義務』だそうだ。
 私の頭では100年経っても思い浮かばなさそうな理論・・・・・・。
 「里穂は、何か役で出演するの?」
 「しないよ?」
 「ええ?」
 里穂のクラスは、シンデレラをやるらしい。
 こんなに美少女な里穂は、勝手に主役とかに祭り上げられてるのかなと思ってたんだけど。
 「自分が出るより、役者の子たちを可愛くプロデュースするほうが私は好きだしね」