『すねへのキス&足の甲へのキス』



ーん…



朝,私は違和感を感じて目を覚した。

するとギッとスプリングの音がする。

驚いて横から仰向けになると,彼氏が私の上にいた。

私が更に驚いて一瞬硬直すると,彼はゆっくり顔を動かして私の足に右手を添える。

なっなに?

残念なことに,寝起きの頭は正常に働いてはくれない。



「おはよ」



彼は私のすねにキスをした。

目を擦っていた私はパチッと目蓋を持ち上げ
る。

私が驚きで声を失っていると,彼は不満そうな声を出した。



「ん~? なんっか違う……」

ー違うも何も正解なんかない! 朝からなにする…

「あっ」



彼は私の抗議が聞こえないかのように,何か思い付いた声を出す。

すると彼は王子様が姫の手をとるように私の足を取って,その甲にキスをした。



ーなっにすんの!



私は反射的に,彼にキスされた足を振り回す。



ーあ……



その足は見事に,彼の頬にクリティカルヒット。




「……」



おっ怒った?
私はおろおろとするが,そんな事は全くない。



「ふっ…朝から元気だねぇ。そろそろ起きよっか,朝御飯出来てるよ?」



彼はとてもいい笑顔でいい放つ。

私はその事実にゾッとしながら,ひやひやと彼について行ったのだった。



        すねー『服従·尽くす』
  甲ー『↑より強い服従·全てを委ねる』