ラヴェル・デリテリート? 代々義眼師の家系。

 ツパイ・ユングフラウ? 代々薬剤師の家系。

 タラ・ハイデンベルグ? 表向きはカラーセラピスト。彩りの民? カラー=彩り!!

 ユスリハ・ミュールレイン。薫りの調合師=香水を作っていた母さん。デリテリートの家系はミュールレインの香りを『血』で感じる? ロガールさんもデリテリート?

 アイフェンマイア? ラヴェルが継承すべき物??


「うーん……」

 タラさんの家系も代々カラーセラピストなんだろうか? そしてうちの家系ももしかしてずっと薫りの調合師? この四つの家系は何か関係があるのだろうか……いや、その前にあんた達は何処から来たのよ!?



 ──「まぁ……うちは王家直属の義眼師だから」



「王家……?」

 あいつとの会話を思い出し、つい言葉を零していた。あたしの国は王制じゃない。それじゃあ彼らの国は何処なのだろう? 近隣に幾つか王制の国はあるけれど……?

「そんな外国人とうちの家系に何か関係が??」

 書き出したノートを凝視して、喉の奥から唸り声を上げた。やがてあたしも昨夜の寝不足から、うつらうつらと船を漕ぎ出し……そんなうたた寝の背中に『脅威』が迫っているとも気付かないままで──。