翌日は、もう『三日寝入る』ことのないツパイにラヴェルをお願いして、タラとあたしは街の中枢を訪ねた。貧窮者を支援する部署を訪れ、孤児院を作ってほしいと金貨を寄付する為にだ。結局のところラヴェルの財産だったけれど、彼に話せば賛同してくれるに違いない。タラとツパイとそう一致して、役所のお偉いさんに「数年の内に必ず確認に来る」ことを告げ、あたし達はあの孤児(みなしご)達の未来を彼らに委ねた。

 それから祖父母の許に身を寄せたミルモを再訪し、パパとママの仇を討ったことを伝えた。また来るよと約束して、帰宅後早々に荷物をまとめ、コテージを返却し飛行船に乗り込んだ。

 同じ空路を辿って初めに立ち寄ったのは、もちろんロガールさんの峰だ。ラヴェルのことは残念だと瞼を震わせたけれど、「きっと目覚めるよ」との励ましと、美味しいミルクを頂いた。

 そんなロガールさんに、ツパイはヴェルへ戻ることを打診した。『王』の居ない王国ヴェル──今後を束ねる人物が必要なのは確かだ。ロガールさんは家畜達のこともあるので、しばし時間をもらいたいとの返答だけだったが、あたし達はそれを受け取り再び空へ昇った。