臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

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朝,下駄箱で雫を見つけた私はとある相談。



「ねぇ,どうしたらいいと思う?」

「どうも。普通に断っちゃえば?」

「軽い」

「だって他人事だもの。だいたいなんで好きでもない男の誘いに乗っちゃうの。私はそこが許せない」



眉を下げる私に,雫はきぱっと言いきった。



「好き嫌いじゃなくて,友達だもん」

「そう思ってるのは澪だけじゃない?」

「そんなことないよ」



私は今,夾くんの誘ってくれた映画を,断ろうとしている。

なのに相談相手の雫はとりつく島もない。



「……はぁ,じゃあなんで急に断ろうと思っったのよ」

「だって…やっぱり良くないのかなって。勘違いされちゃうし」