臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

ただの嫌がらせのように見えるようになっても,私は諦めなかった。

そうしていたある日。

初めて澪がグランドに来ていた。

私は驚いて,きっと歓喜して,一緒に居た友達を置いてまで澪の元に駆けた。

なのに……あまつさえ他の男に誘われたからなんて。

澪が誰を見に来たかなんて,顔を見なくても分かった。

それでもそう口にした澪に,私は怒りと失望を覚えた。

勝手に……裏切られた気分になった。

その後澪の隣に座った夾くんと,周りに目もくれず,一直線に澪のもとへ走った澪くんを見て,私は全ての状況を飲み込んだ。

やはり今日も,何一つ気付いていないのは澪だけ。

私や澪くんが何をしても,頑なに澪は本質を見ようとしない。

ほら,ね。

この学校の在学生の中で,夾くんの好意に気付いてないのも,今ではもう澪だけ。