臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「ねぇ,私は,雫のなに?」



雫が戸惑いに瞳を揺らす。



「それは……。私は,ううん。澪くんは……」



何かを諦めるように,柔らかく笑った雫が何かを言おうとした。

丁度何か大事な事を言おうと口を開いた時,よく知った男子の陽気な声がする。



「あれ? みおさん。蕪木さんも」



はっと振り向く雫。



「……どうしたの? 夾くん」



敢えて前に出て,まだ乾ききっていない私の涙を,隠そうとしてくれたのだと思った。



「え…? や,こんなところで立ち止まってどうしたのかと」

「野暮ね,ちょっと目薬貸してあげてただけだよ。澪,下手くそなの。見られるとやりづらいから先行ってて」



雫が私にハンカチを渡す。