臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

すっと雫の体が離れていく。

私も雫のお陰で幾分落ち着いていた。

何を言うのだろうと,私は無意識にも,いつもより綺麗に見える雫をじっと見つめる。



「隠せないくせに,一方通行じゃ無いくせに,澪が向き合おうとしないから。澪が,なんにも言ってくれないから!」



最初が小さくて届かなかったけど,最後の一言だけやけに通って聞こえた。



「だから私も諦められないじゃん。私が何しても悲しそうにするくせに,気に止めない風を装っちゃって」



ーだから,だからムカつくのよ。



最後に放った雫の言葉が,私を突き刺す。

つまり,無くせないくせに認めて向き合わない私の態度が,今までの雫を作っているということ?

今なら,聞ける気がした。