臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「俺,勝った」

「うん? 凄かったね,最初だけ見てたよ」

「最初だけ?」

「雫にあったから」



私が答えると,澪は『あぁ』と言うように納得した顔をした。



「よそ見してないなら,いい。ってか頑張ったから褒めてくんない?」

「うん。凄いね」

「軽い」



よそ見,そんなこと言われたなぁと思い出しながら言われた通りにすると,尚も澪は不満がお。



「澪お前キャラ変わりすぎ。みおさん好きすぎだろ…」



呆れたような悔しがるような声に澪は顔をあげる。



「うるさいな。みおに手出さないでよ」

「いくら姉ちゃんっ子だからってそこまで言われる筋合いねぇよ」

「そんなんじゃねぇし」



どこが。
そう笑いながらよいしょっと勢いよく立ち上がった夾くんは,数歩先で澪を待つ。