臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「澪のやつ,急に敵になったかと思えば全然容赦してくんねぇんすよ」

「そうなんだ」

「あ,もしかしてあんま見てなかったすか?」

「う……ごめん」



本当に,殆ど見てなかった。

正直に謝ると,私の元にきた夾くんはくはっと笑う。

何がおかしいのかと顔をあげれば,眩しいほどの笑顔が見えた。



「俺ちょーカッコ悪かったんで,今日はいいっす。その代わり次見てて下さい」

「次?」

「明日でも明後日でもまた見に来てください」



また,見に来ていいんだ。

ほかほかと心が温まる。

私の心はあらゆるものを見逃した喪失感で,思いの外満たされていたようだ。



「みお」



聞こえた声に反応すれば,澪が私の視線を奪うように,ザッと音を立てて目の前にしゃがむ。