臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

その途端何故か雫の笑みが凍る。

恐ろしいほどに。



「し,しずく?」

「へ~ぇ。そうなんだ。夾くんなら私も知ってるよ。じゃあ,楽しんでね!」



戸惑う私に,にこっと笑った雫はUターンして,友達の方へと戻ってしまった。

なにが起きたのか分からない。

雫の表情が見えなくなる寸前。

ほんの一瞬だけ見えた雫の顔は



『やっぱり,大嫌い』



そう言うように,憎々しげに,そしてどこか悔しげに歪んでいた。

鐘がなる。

雫は本当に僅かな時間で,澪を見るためにやって来たようだ。

結局,あんまり見れなかったな…

私は日陰に移動して,サッカーをしていた皆が1ヶ所に集まっていく様子を眺めた。



「っあー。全然だめでした」



そんな私の横にどかっと座る男子。