臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

向き直ると,澪がゴールを入れたところだった。

あ…

見てなかった。

あまりにもったいなくて,私のテンションは下がる。

と,視線を感じる。

その主の方を向くと,私を見ていたのは雫だった。

驚きに,ただでさえ大きな瞳を,溢れそうなほど見開いている。

友達らしき人は,突然立ち止まった雫に戸惑っているようだ。



「ちょっと雫!?」



ある種の気まずさを感じながら,仕方なく私が手を振ると,雫は友達を置いて駆け寄って来た。



(みお)も来たんだ」



その言葉には,どこか喜色が浮かんでいる。



「う…ん。あの,夾くん,澪の友達に誘われて」



嫌がるでもなく,どうして雫が喜ぶのか理解できなかった私は,声を震わせて答えた。