臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「わりー! 俺敵チーム入りてーから誰か代わって!」

「はぁ~!? お前失ったらどうやって勝つんだよ!」

「あ,じゃあ俺代わるわ」



突然混じっても受け入れられる。

そんな光景に,澪の人望と皆の人のよさを感じた。

澪はどこかやる気のある様子でボールへと突っ込んでく。

するとあっという間にボールは澪のものになり,あとは走り抜けるだけ。

あと少しでゴールにたどり着くと言うところで,よく知った声が耳に届く。



「もー! なんであの先生私に任せるの!」

「ドンマイドンマイ。手伝ってあげたでしょ」

「だけど~! あっ澪くんゴール入れそう!」



私が反射的に振り向いたと同時,悔しそうな男子の声が聞こえた。