臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

顔を赤くして唇をかんだ夾くんが,皆と共に走っていく。

試合開始だ。

普段からなんとなくのチームが決まっているのか,皆なにも言わなくても分かれていく。



「澪は行かないの?」

「なんでみおがいんの? いっつも教室にいるくせに」



無視ですか。はい。



「えーと,夾くんに誘われて」

「いつ」

「ぅ,と廊下ですれ違ったとき?」

「なんで疑問系なの。ってゆーか何でうそつくの」

「うっ嘘じゃないよ」



嘘だけど。

ほんとはLI⚪Eで。

だけどその事については話さない約束になってるから…

きょろ,きょろきょろ。

目玉があちこち動き回る。

……



「……澪行かないの?」



これで断られたら,もういいけど。