臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「~っ…え,と。すんません」

「いえ,私こそ…ごめんね。その,慣れてなくて」



夾くんから,私はゆっくり手を引く。

もう,なんで夾くんと居るときだけこうもおずおずとした空気になってしまうのだろう。

もっと普通に,自然に。

はぁ…ふぅと私は深呼吸をした。

もっとしっかりしなきゃ。



「あれ…みお?」



どきりと心臓がなる。

瞳が乾かない内に届いた声は,私とってやけにクリアに聞こえた。



「おー。今日遅かったな,澪。今日は…」

「どうしたの,みお。どこか痛い…?」

「って無視かよ…」



パタパタと駆け寄ってくる澪。

すかさず私の肩に手を当てて,自身も座り込む澪に,私は赤面する。

ーわっ

ち,近い…!