臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「あはは。『うん』だって」

「な,一周回ってキモい」

「あ?」

「「何でもな~い」」



元気のいい2人は安定で絡んでいる。

海くんだけが,バカを見る目で大人しく立っていた。

あれ,何で礼夢くん名前言い換えたんだろ…



「お邪魔しました~」

「「した~」」



パチリと目があった時,礼夢くんは私に『し~』と言うように,人差し指を立ててウィンクした。

扉が閉まると同時,澪に視界を塞がれる。

こうも気安く触れられると,心臓が持たなくて困るのだ。

抗議しようとするも,その何倍も不機嫌な声に,私の勢いは萎んだ。



「あんなチャラいの,見なくていいから」

「え,」

「ってか何あれ。俺に隠し事?」

「別に…」

「ふーん」