臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

「あー。夾もな。よろしくみおちゃん」



人当たりの良い笑顔の礼夢くんに,所在無さげにしていた夾くんも寄ってくる。



「え…? でも,要らないんじゃ…」

「え!? そんなことないっす!」

「ほんとに? じゃ,じゃあ…」

「あざっす」



お互いにおどおどしながら交換する連絡先。

なんだか小学生のようにどぎまぎした。



「なにあれ。初々し過ぎて面白いんだけど」

「バカなんでしょ」

「あはは」



無事交換し終わったとき,礼夢くんがおちゃらけた様子で人差し指を唇に当てる。



「俺らと交換したこと,澪にはナイショね」

「えっどうして?」

「俺はよく分かんないっすけど」

「分かんないなら黙ってなよ……澪が怒るから」