臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

それだけじゃ,ないからかもだけど……

それでもそう映って,羨ましいと思って貰えるのは素直に嬉しい。



「澪も大事にしてくれるからだよ」



いたずらっぽく笑えば,夾くんはばつが悪そうに笑った。



「……ぜんしょします」

「ははっ。カッコ悪」

「うっせ」



夾くんと礼夢くんがわちゃわちゃしている傍ら。

私は海くんにくいくいと袖を引かれる。



「ど,どうかした?」



私より5cmほど小さい彼は,じっと私を見つめていた。



「LI⚪E……交換してくれない?」

「え…うん。QRコード,私が出せば良い?」



こくりと頷く海くんに,私は少しドキリとする。

こんな風に望まれて男子と交換するのは,何気に久しぶり。

他意はないと分かっていても,やっぱり緊張するというもの。