臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

結局,彼らは澪の部屋でぎりぎりまでゲームしていた。

時折誰かしらの悔しそうな声が聞こえて,けれど澪だけがいつも勝ち誇ったような笑い声を発していた。

2階から人が降りてくる音がして,リビングを出ると,そこには3人しかいない。



「あれ? 澪は…? もう,見送りくらい……」

「いーのいーの。片付け押し付けて置いてきたんだから」

「そーなの?」



なら今の澪はきっと,ふてくされた顔で片付けをしてるんだろう。

想像して笑みを漏らせば,3人は驚いたような,感心したような顔をする。



「澪のこと,ほんとに大事にしてるんすね……俺のねぇちゃんにも見習って欲しい…」


そんなことを言ったのは夾くん。

私は照れ笑いを浮かべた。