臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。

何故いる前提で聞かれたのだろう。

私が首をかしげると,礼夢くんはまだ続けようと口を開く。



「なんで? 断ってんの?」「え,いないんすか?」

「んもうっ。勇み足が過ぎるぞ☆ 夾くんっ」

なんて乱入した夾くんをからかう礼夢くんに,私はそれもないと首を振った。

夾くんは乱入するほど驚いたのだろうか?

礼夢くんに,赤い顔で抗議している。

私って彼氏いそうな雰囲気とかあるのかな。

私は思わず自分を少し眺めた。




「…お前ら何しに来たんだよ」



次に聞こえる低められた声。

それが私に向けられたことはなく,私はほんの少し驚いた。

遠慮とは違うのだと,思いたい…



「ん~? みおさんに会いに?」



飄々とのたまう礼夢くんに,私もだんだん慣れてくる。

くすりと笑みを溢すものの,澪は違うみたい。



「さっさと帰れ。死ね」



私が澪の声に顔をあげると,澪はむっつりと不機嫌がおを作っていた。

それに対し,礼夢くんは楽しそうに笑う。