「姉…です。桜木 (みお)と言います」

「「「姉?」」」

「ねぇちゃんってこと?」

「はー。ならさっさとそう言えよ澪。ってかいたんだ」



いたんだ…

グサッグサグサッ

私はチラチラと澪を見ながら言い,不機嫌そうな顔をした澪を見て慌てる。



「ぎっ義理ですけど…」



苦し紛れに付け足すと,澪の表情は少しだけ柔らかくなった。

物静かな男子が首をかしげる。

そんなに,嫌なのかな…

私たちが姉弟になったのは小さい頃。

他の姉弟とも遜色はないはず。

なのに認めたくないほど嫌われていた?

乾いた笑いを落としながら,私の気持ちはどんどん沈んでいく。



「あっ俺,金山 夾(かなやま きょう)です。どこ高ですか? 綺麗なねぇちゃんとか羨ましいっす」