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「あ,こけた」



私の隣で,遠慮の欠片もなく雫がそんな事を言った。



「確かにこけたけど……大丈夫かな」

「バカね,知らないやつまで心配しなくていいのよ。どーせ大丈夫なんだから」

「そうなの?」

「あそこの人達に丈夫じゃないのなんていないわ」




それもそっかと思ったころ,こけた男子がガハガハ笑いながら立ち上がった。

うん,大丈夫そう。

と,チャイムがなった。

澪が私をバッチリ捉える。



「ぅ……あ」

「澪?」



雫が私を訝しげに見つめる。

油断してた。

澪は試合が終わると同時,私を探す。

そして,来てくれるのが澪だ。