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私と意識を共有するようにして目覚めた私。

そこは,忘れもしない,葬儀の場だった。

私をひどくあわれむ沢山の目。

あれは…私が実子だからじゃない。



『可哀想に…お母さんも早くに……』

『お父さんも目の前で……』



お父さんの死に,立ち会ったからだ。



『約束な』



お父さんの笑顔が,脳裏に浮かぶ。

やっぱり…だめだ。

澪とは家族じゃなきゃ。

今までだってそうしてきたんだもの。

出来ないはずがない。

澪だって……

私より素敵な人の1人や2人,いて当たり前。

澪は私の,たった1人の,大切で大好きな義弟。

ずっと家族だった私達なら,すきの種類なんて,すぐに変えられる。

私は真っ暗な世界のなか,ただゆっくりと過ぎる時間を感じた。