『澪!』

『な,なぁに? お義母さん』



そう言う私の頬が,震えている。

お義母さんは,私を包み込むように抱き締めた。



『もういいよ,澪。ありがとう。(れい)にはお義母さんが伝えるから。無理しないで』

『ふっ……うん。でも,まだっまだ…助かるかもしれないから…ふっ,びょういんも,行って』

『あぁ,もちろん』



伝えきった私は,びえびえと泣く。

そんな暇は無いはずなのに,今度は止まらなかった。

そしてすぐ



『澪…?!』



緊張の糸が解けたのか,私は気を失った。

私のおでこに手を当てたお義母さんが,大変だと動きだす。

……澪は,血塗れの私やお義母さんを見ただろうか。

お義母さんの事だ。

私の姿を見ていて,そんなヘマはしない。